審判前に子が連れ去られた場合の法的措置

051543af6dc7a05bf1835225ebdd5d25_s

審判前の保全処分

89b228e520b2f6a278f41d2126c72b41_s

審判前の保全処分審判、訴訟の前に相手が子どもを連れ去られた場合、子どもの安全を守るため、”審判前の保全処分”をして、子を連れ去った親に対しての子の引渡しを要求することができます。

監護者指定の審判申立てと合わせて子の引き渡しを求め、その審判の保全処分として別個に子の引渡しを申立てればよいのです。

ただ、仮処分命令を出すには、両親のいずれかを監護者とすべきか、子どもの福祉・利益の観点から十分調査されることになります。

人事訴訟法に基づく「子の監護者に関する仮処分」は、家庭裁判所に申立て、民事保全法の「仮の地位を定める仮処分」の規定を準用して判断されます。

審判や訴訟で勝って「引き渡せ」という命令が出ても、他方の親が、実際の引渡しをしてくれないこともあります。このような場合には、以下の強制執行を申し立てることができます。

直接強制

5b7e007fc157816768cef8238dfaa50f_s

裁判所の執行官が子どものところに行き、子どもを取り上げて連れてくる方法です。

直接強制の方法によれば現実に引渡しがされますが、この方法は「子どもを物と同様に扱うもの」で意思や人格を持っている子どもを無視するものと考えられているため、一般道徳的にもやむを得ない緊急性の高い場合のみ実施されます。

間接強制

e72001241f07a3b9254583c491b3004d_s

一定期限までの引き渡しを命じ、期限までに引き渡さなければ引き渡すまで「一定額の金額の支払い」を命じるものです。

子どもがまだ意思能力のない乳幼児で、不当に拉致誘拐されているようなケースでない限りは、この間接強制の方法により心理的強制を与えて引き渡させるのが通常です。

子の引き渡し請求の申立から強制執行までの流れ

一方の親に子どもが連れ去られた

家庭裁判所に「子の引き渡し請求」の調停申立て

調停で相手が引き渡しに同意すれば子を引き取ることができます。

調停不調のため審判の申立

審判に基づき相手方が子の引渡に応じれば、子どもを引き取ることができますが、応じなければ強制執行をすることになります。

関連記事

  • 面会交流権とは?面会交流権とは? 面会交流権とは 面会交流権とは、離婚後、親権者または監護者とならなかった親が、子どもと面接・交渉する(会ったり、手紙を交わしたりする)権利のことをいいます。 […]
  • 面会交流権面会交流権 面会交流権とは? 面会交流権とは、離婚後、親権者または監護者とならなかった親が、子どもと面接・交渉する(会ったり、手紙を交わしたりする)権利のことをいいます。 […]
  • 面会交流に関して取り決めておくべき事柄面会交流に関して取り決めておくべき事柄 愛を与える人が多いほど子供は幸せに近づく 離婚する方々の多くは面会交流の具体的な取り決めができていません。具体的な取り決めをしていなくても、離婚の当事者双方が、 […]
  • 子どもに会わせてくれないとき子どもに会わせてくれないとき 子どもに会いたいのに会わせてもらえなければ、”子どもの監護に関する調停申立書”を家庭裁判所に出し、面会交流を求めることになります。 離婚の話し合いがこじれたまま、妻 […]
  • 面会交流権を予め放棄する約束は無効面会交流権を予め放棄する約束は無効 親権者が、非親権者とのその後の接触を断つため、”面会交流権を放棄する”と契約書に記載した場合でも、その合意は無効です。 面会交流権の取り決めをした当初、「中途半端に […]
  • 面会交流のプラス面・マイナス面面会交流のプラス面・マイナス面 面会交流には両親の監護方針に食い違いが大きいと、どちらの親の言うことを聞いたらいいのか、子どもに忠誠心の葛藤や大きな精神的同様が生じます。 また、会うことによって、 […]

コメントを残す

▼ 閉じる ▼

▲ 閉じる ▲

Return to Top ▲Return to Top ▲